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じっくり仕込む贅沢。梅雨の心と体を潤す「梅仕事」のすすめ。

じっくり仕込む贅沢。梅雨の心と体を潤す「梅仕事」のすすめ。

6月も後半に差し掛かり、雨音に静かに包まれる日々が続いています。

まとわりつくような湿気や不安定な天候により、少し気だるさを感じたり、外出を控えたくなったりする日も増える季節です。

 

しかし、視点を変えれば、春から初夏にかけての温かな日差しをたっぷりと浴びた、自然の恵みをゆっくりと味わえる時期でもあります。

「梅が熟す季節の長雨」がその名の由来とも言われる梅雨。

 

 本日は、この時期ならではの日本の美しい風習「梅仕事」と、そこから生まれる豊かな時間についてお話しいたします。

余白を生み出す、静かな手作業

梅仕事とは、旬の梅を使ってシロップや梅酒などの保存食を作る、古くから伝わる手仕事です。

 

ふっくらとした青梅を丁寧に洗い、やさしく水分を拭き取る。

一つ一つ、無心になってヘタを取り除き、消毒したガラス瓶に梅と氷砂糖を交互に重ねていく。

指先から伝わる梅の冷たさや、甘酸っぱく瑞々しい香りに包まれながら、ただ目の前の小さな自然と向き合う。

 

その丁寧な手作業に没頭していると、日々の慌ただしさから離れ、外へ向いていた意識がそっと自分自身の内側へと戻ってくるのを感じるかもしれません。

「待つ時間」が教えてくれること

瓶に詰め終えた後、美味しい梅シロップが育つまでには少しの月日がかかります。

 

密閉して常温で保管し、毎日少しずつ氷砂糖が溶け、透明だった液体が静かに琥珀色へと変わっていく過程をただ眺める。

味わうその日を待ちわびるこの静かな待機時間こそが、梅仕事の真の醍醐味と言えます。

 

美味しいシロップの完成に、じっくりと寝かせる時間が必要なように。

 

私たちの日々の暮らしにおいても、心身を整え、英気を養うためには、あえて「何もしない時間」を過ごすことが必要なのかもしれません。

過去の自分からの、ささやかな贈り物

そうして静かな時を経て、琥珀色のシロップが完成する頃。

 

氷をたっぷり入れたお気に入りのグラスに、シロップとソーダを注ぐと、パチパチと軽やかな音が弾けます。

一口含めば、梅雨特有のだるさをすっきりと和らげてくれるような、爽やかな酸味と甘みが喉を潤してくれることでしょう。

 

その心地よい味わいと涼しげな音は、梅と向き合い丁寧に仕込んだ「1ヶ月前の自分」から、明日もひたむきに頑張る自分へ向けた、ささやかな贈り物になるかもしれません。

 

今年の初夏は、季節の恵みをひとつの瓶に閉じ込めて。

未来の自分へ思いを馳せながら、ご自身の心と身体を労る余白の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

穏やかな待機時間に寄り添う、夏のルームウェア

静かに流れるおうち時間を、よりしなやかに、凛と過ごすためのご提案です。